2006年 04月 24日
静物画 at コバルト画廊 |
銅の皿
今日のテーマは銅製の鍋、陶器の壷、ガラスのびんなど各種の器だ。
水彩画の場合、描くものの材質によって、透明と不透明を使い分けるのだが、先生はあの部分は透明、ここは不透明にといわれるが、いまだにその分別がはっきりと分からない。感覚が鈍いのか、未熟なのか。そんなことが分かるようになれば、もうすこし絵も上手になるかも知れない。
ところで、この赤褐色に鈍く光る銅の器を眺めていると、20年前イラクのバザールで見た銅の皿を思い出す。1年近く同地に駐在して、帰国の前の日、何か日本へ土産とバクダッドのバザールに行った時のことだが、あのメソポタミア文明を生んだ歴史ある国だからさぞ面白いものがあるだろうと思ったものだが、あにはからんや、土産になりそうなものは何にもない。土産物屋らしき店には、やたらに銅製の皿が並べてあった。この銅皿には、尖った金具で小突いて作った小学生でもできそうなまことに稚拙な模様が画かれてあった。他に買うものもないので、仕方なく1~2枚買った記憶があるが、今は家にも残っていない。誰かにあげたのだろう。今となっては1枚くらいとっておけばよかったとすこし残念だが、イラクもあんな状態ではもう再び訪れることはないだろう。
そんなことを思いながら描いた銅の鍋は不透明な暗いものになってしまった。
by hana-chans
| 2006-04-24 13:20